学習障害で重視する五感の優位性について
学習障害のある子供たちは、文章を書くことや読むこと、そして人の話を正しく読解することにハンディキャップを抱えています。担任教諭や保護者の話を最初から最後まで聞くことができず、その結果として不適切な行動をしたり集団行動に馴染めなかったりするのです。
聴覚過敏な傾向が見られる子供たちの場合、いわゆる口頭でカウンセリングを試みても効率よく運ばない可能性が高いです。聴覚過敏で視覚優位性が見られる児童に対しては、ビジュアルに訴えかけるコーチングが効果的です。
例えば、あえてテキストが一切使われていないイラストだけのマニュアルを用いて説明すれば、情報がストレートに伝わりやすくなります。他にも紙の本ではなく、タブレット端末を利用するのも効率的です。
特に、多感な児童はタブレット端末に強い関心を示すことが多く、漫画のキャラクターやアニメのワンシーンをちょっとした教材として応用すれば、落ち着きがない児童でも真摯に内容を受け入れてくれます。
触覚の優位性が見られる児童の場合には、積み木やブロック遊びを通してコーチングを行うとよいでしょう。創造性や空間把握力が養えるなどの効果が期待できるだけではなく、児童がブロックや積み木で作り上げた家やお城の様子から、精神的なコンディションも推察できます。
他にも人形やぬいぐるみを教材にして、児童と看護師が所謂おままごとをしながら、精神的なケアをしたり劇の内容を通して社会性を身に着けさせるなどのアプローチもあります。