読み書きが苦手な症状も学習障害の一つ
「ディスクレシア」とも呼ばれる学習障害は、読み書きが上手にできない、計算が苦手といった症状が現れてくるのが特徴です。このような症状が見られる子供は、知能的な面では問題がないことが多いです。ただ、文章を上手く読めなかったり、仮名遣いを間違ったりする場面がよく見られます。
学校で漢字の勉強が始まるのは、だいたい小学校中学年ごろからです。そのため、学習障害の子供は、漢字の勉強でトラブルを抱えるケースが少なくありません。
学習障害があっても小学校中学年までは親や教師、本人も障害があることに気づかない場合があります。本人や周囲が障害に気づいていないことで、子供は劣等感から勉強が嫌いになったり、学校に行くのが嫌になったりするのが問題として挙げられるでしょう。
学習障害が疑われるときは、児童精神科を設けている病院で学習障害の有無をチェックするためのテストなど、検査を受けることができます。このような診療科に勤務する看護師は、学習障害の特徴や検査の流れなどもひと通り知っておいたほうが役立つでしょう。
学習障害に特定の治療法はありませんが、学校と病院がタイアップして問題解決できるようにアプローチすることはできます。実際、病院で行った検査の結果は、後の問題解決にも役立つことがあります。医療の現場で看護師に求められるのは、学習障害のある子供や親の心のケアを行うとともに、学習障害のある本人が問題を克服できるような方法を積極的に取り入れてサポートすることです。